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​Formula-SAEとは

「Formula SAE」とは、米国自動車技術会(The Society of Automotive Engineering)が主催している競技会の事です。学生のみで組織されたチームがフォーミュラ・スタイル(タイヤをカウルで覆わない)のレーシングマシンを製作し、その設計・製作能力と車両の性能を競うというものです。この競技会の前身は、1978年に当時盛んであったオフロードバギーの製作競技をオンロード版にして始まった「mini-indy」というものです。当初、わずか5HPのエンジンを搭載したレースの企画を数年後に一新し、全米共通の競技としてSAEが1981年から開催されました。その後この競技は世界中に広がり、アメリカ国内3大会以外にもオーストラリア、ブラジル、イタリア、イギリス、ドイツ、日本などで開催されています。

競技理念

Formula SAEの競技理念は、レースの勝敗だけではなく、レースに至る全プロセス(学生の設計技術、製作能力、発表能力、プロジェクト管理能力など)が評価対象であり、もの作りの楽しさと難しさを体験させ、自ら考え、問題を解決していく能力を養う点にあります。そのため、車両設計に関する諸規定は、できるだけ設計者の独創性をマシンに盛り込めるように主に安全面に限定されており、様々なアイディアを具体的なひとつの「もの」としてまとめ上げる力量が発揮できるようになっています。また、学生はスポンサー企業の方々と交流する事で、折衡能力を養う機会を得る事ができます。

競技概要

Formula SAEの競技車両はレギュレーションにおいて、米国内で盛んに行なわれているアマチュア週末レース用のプロトタイプ車両を1台あたり$25000以下で試作することを想定されています。この条件の中で独創性を発揮し、競技車両として高い運動性・E\を得・骼魔ェ要求されます。また、安全性、コスト、整備製、商品性、なども加味されて評価が下され、以下のカテゴリーの総合審査によって最終成績が定められます。なお、車両は毎年新規に1台制作することが基本で、同じ車両で継続参加の場合は、設計などで大幅な車両改造がないと認められないという厳しいものになっています。

また安全性に関しては、特に厳格な規則が設けられています。衝突・横転時のドライバー保護空間の確保、燃料漏洩による火災対策など、細部にわたる車両規則が定められており、車検において不具合が認められれば動的競技への参加は許可されません。また、周回コースはパイロンにより規定されたコースで、直線距離を制限し、コーナー半径を小さくするなどして最高速度を制約するなど、参加者に対する安全性を考慮した設定となっています。

審査種目

車検

①技術審査:ルールで定められた車両の安全・設計要件の適合検査。
②ブレーキテスト:4輪ロック。
③騒音テスト:所定の条件下で排気音110dB以下。
④チルトテーブルテスト:45度傾斜での燃料漏れ確認、60度傾斜での転覆確認。

デザイン(静的)

事前に提出した設計資料と車両を元に、どのような技術を採用し、どのような工夫をしているか、またその採用した技術が市場性のある妥当なものかを評価する。具体的・ノは車両・ィよび構成部品の設計の適切さ、革新性、加工性、補修性、組立性などについて口頭試問する。

コスト​(静的)

予算とコストは生産活動を行うに当たって考慮しなければならない重要な要素であることを参加者に学ばせることが狙い。車両の製造コストはUS$25,000以下。事前に提出したコストレポートのコスト精度、車両との適合を審査する。さらに一般に購入品目となる2つの部品について、製造プロセスなどの口頭試問を行い、知識、理解度を評価する。

プレゼンテーション(静的)

開発車両の設計が「アマチュアの週末レース市場の要求に合致しており、製造販売で利益を出せることを製造メーカーの役員に納得させる」という仮想シチュエーションで行う。学生のプレゼンテーション能力を評価する。

アクセラレーション(動的)

0-75m加速性能評価。各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、タイムを競う。

スキッドパッド(動的)

8の字コースによる定常円旋回中のコーナリング性能評価。各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、タイムを競う。

オートクロス(動的)

直線・ターン・スラロームを組み合わせた約800mのコースを1周する。各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、タイムを競う。

エンデュランス(動的)

直線・ターン・スラロームを組み合わせたコースを約22km走行する。各チーム2名のドライバーが中間点で交代して走行し、タイムを競う。

燃費(動的)

エンデュランス走行時の燃料消費量で評価する。

​種目得点
学生フォーミュラ日本大会

「全日本学生フォーミュラ大会」とは、日本には自動車技術分野で活躍を目指す学生にとって、習得した専門技術を発揮しうる設計コンテストがない、という状況を打開すべく日本自動車技術会が開催している日本版Formula-SAEです。2003年8月に富士スピードウェイにて第一回大会が開かれ、2004年9月にツインリンクもてぎにて開催された第二回大会では海外からの参加も含め34チームがエントリーしました。国内のチーム数は年々増加し、第14回大会では100チーム以上がエントリーしました。

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